胡蝶蘭の育て方
胡蝶蘭の育て方
4月の胡蝶蘭の育て方
【4月の胡蝶蘭】
春の陽気となり暖かい日が多くなってきます。気温の上昇とともに元気な株は花芽がぐんぐん伸びて、開花の準備にはいっていきます。早いものでは下旬頃から開花しだします。また体力を消耗した株も徐々に元気を取り戻し、葉の色も緑を増していきます。根や葉の成長はまだあまり成長をみせませんが、徐々に水やりの回数をふやしていきます。
【置き場所について】
室内の明るい場所にで、レースカーテン越しの日光が当たる場所に置きます。4月になると陽射しが強くなってくるため、ガラス越しに日光を当てると葉が焼けてしまう恐れがありますので、直射日光は避けてください。
【水の与え方】
植え込み材の表面が乾いてから更に2~3日後に与えてください。3月と比較すると乾きやすくなりますが、まだ根の成長は少ないため、あまり水を吸いません。ただ温度の上昇により鉢内の乾きも早くなるため、水やりの回数は3月より多くなります。
【肥料の与え方】
根の活動がやっと始まりだす時期なので肥料はまだ与えないほうが良いでしょう。
【植え替えについて】
花芽が伸びているときに植え替えを行うと根付かず、花芽の成長も止まってしまうため、植え替えは行いません。
5月の胡蝶蘭の育て方
【5月の胡蝶蘭】
気温が高くなり胡蝶蘭は開花期及び生育期に入ります。最低温度が低い環境で冬を越した株も徐々に開花していきます。生育期に入った株は葉の成長も勢いづき、月末頃には根の成長も見られます。胡蝶蘭にとってすごしやすい季節になりました。
【置き場所について】
4月同様、レースカーテン越しの日光が良く当たる場所に置きます。日中は窓を開け、風を通すようにします。またつぼみの開花していない株は場所の移動により、環境が変化し開花しなくなる恐れがあるため開花するまでは、動かさないようにした方が良いでしょう。
【水の与え方】
4月よりも成長が盛んで水の吸収も多く、気温の上昇等で乾きが早くなってきます。植込み材の表面が乾いたら水を与えるようにしますが、常に鉢内が濡れた状態ではなく乾かし気味のほうが新根の成長がよくなります。
【肥料の与え方】
新根が伸びだした株に対しては今月から肥料を与えていきます。肥料は液肥が良く、1500倍に薄めた液体肥料を与えます。まだ新根の出ていない株は来月までまちましょう。
【植え替えについて】
植え替えを行うのは月末頃で、株が鉢いっぱいになり、新根のたくさん出ている株は植え替えを行います。開花株に関しては早めに花茎を切って植え替えた方が株の成長が良くなります。植え替え後の2週間は水やりをやめて2~3日に一回程度、葉裏に霧吹きで水分を与えると、早く根がでてきます。
6月の胡蝶蘭の育て方
【6月の胡蝶蘭】
胡蝶蘭の本格的な成長期です。翌春に開花させるために適切な光量をあて、水やりや肥料も適切に管理して充実した株に育てることが大切です。
【置き場所について】
室内の明るい場所に置きます。生育を促進するためには、日光を半日以上あてて株を充実させるようにします。晴れた日はレースカーテン越しの日光にあててください。
【水の与え方】
5月同様、植え込み材の表面が乾いたら与えます。成長期のため水やりのかわりに薄めた液肥を週に一回程度与えます。また梅雨時期のため、鉢内の水分が乾くのに時間がかかり水やりの間隔は5月よりも多少長めになります。
【肥料の与え方】
週に一回程度、水やり代わりに1500倍に薄めた液肥を与えます。
【植え替えについて】
花が終わり、鉢いっぱいになっている株は植え替えを行います。成長期で新根もどんどんでてくるので、植え替え後の根付きは早く株の充実をはかるのに最適な時期です。
8月の胡蝶蘭の育て方
【8月の胡蝶蘭】
8月は高温多湿が続き、もともと熱帯地帯の高温多湿の地域に生息する胡蝶蘭にとってとても条件の良いときです。胡蝶蘭にとって気候の条件がよく、葉は日増しに大きくなり根も数が増え、グングン成長する月です。
【置き場所について】
胡蝶蘭を室内に置いてある場合は、レースカーテンごしの日光があたる場所で風通しの良い場所に置きます。高温の季節のため風通しが悪い環境ですと、空気が蒸れて葉を腐らせたり、鉢の中の水分が高温になり根を腐らせてしまいます。戸外の場合は直射日光があたるのをさけ、50%位の遮光をした場所あるいは風通しの良い明るい日陰に置きます。
【水の与え方】
気温が高いため胡蝶蘭の成長もいちじるしく、晴天続きのため鉢内が乾きやすくなります。植え込み材の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。ただし、午前中に与えた水が夕方には表面が乾いているように見えますが、鉢中に水分があることが多いため1日2回の水やりはさけましょう。
【肥料の与え方】
胡蝶蘭の成長時期のため肥料は欠かせませんが、栽培に慣れるまでは置き肥よりも液肥(水で薄めた)を水やり代わりに与えるのが良いでしょう。濃度は市販肥料の表示された濃度の2倍以上に薄めて使用するのが良く、1週間に1度位が目安です。胡蝶蘭は濃い肥料を嫌うため、肥料を与えすぎたり、一度に与える濃度が濃すぎたりすると根が肥料やけを起こしてしまい、成長ができなくなってしまいます。
【植え替えについて】
暑い時期のため基本的には行いません。成長時期なので植え替え時に葉や根を痛めるとそこから腐ることもあるからです。
9月の胡蝶蘭の育て方
【9月の胡蝶蘭】
9月はまだまだ成長する時期です。葉が大きくなり成長しきると新しい葉が中心からでてきます。
胡蝶蘭は年間数枚の葉がでてきますが、夏から秋にかけて葉がよくでてきますし根もまだ成長しています。夏の間とても暑い日が続くと、葉の表面がしわになったり葉がたれてしまったりすることがありますので、そういった状態になっていたら風あたりを良くするよう気をつけましょう。
【置き場所について】
胡蝶蘭を室内においてある場合は、8月同様レースカーテンごしの日光があたる場所で風通しの良い場所に置きます。また日の傾きが低くなるため西日のあたる場所は日焼けに注意が必要です。
【水の与え方】
成長中の胡蝶蘭への水やりは、植え込み材の表面が乾いたらたっぷり与えるようにします。葉も成長し水分の吸収も早く、空気も乾燥してくるため植え込み材の乾燥状況を確認しましょう。
【肥料の与え方】
9月もまだ胡蝶蘭の成長を促進するため、液肥(水で薄めた)肥料を与えましょう。濃度は市販肥料の表示された濃度の2倍以上に薄めて使用するのが良く、週に一回程度与えましょう。また肥料の与えすぎに注意しましょう。
【植え替えについて】
成長中のため基本的には行いません。ただし夏の暑さで弱っていたり、根腐れをおこしている胡蝶蘭は腐った根を切り取り、新しく成長させるよう早めに植え替えをしましょう。植え替えた胡蝶蘭には肥料は与えずに、植え込み材の表面が乾いたら水を与えるようにします。
10月の胡蝶蘭の育て方
【10月の胡蝶蘭】
10月に入ると日の長さも短くなり、だいぶ気温が下がってきます。そろそろ胡蝶蘭の成長が止まってくる時期です。
朝・晩の気温が特に下がってきますので注意が必要です。最低気温が15度を下回らないように胡蝶蘭の置き場所にも気を使ってください。
【置き場所について】
日照時間が短くなるため、なるべく日のあたる時間が長い場所でレースカーテン越しの日光を当ててください。また風通しはよくするようにしてください。
【水の与え方】
10月は植え込み材の表面が乾いたら水を与えるようにしてください。秋になると徐々に空気が乾燥してきますが、その影響で鉢内の水分がなくなりやすくなってきます。ただし根が水分を吸収しきっているわけではないので与えすぎには注意が必要です。植え込み材を良く観察し適度に水を与えてください。
【肥料の与え方】
10月は初旬~中旬にかけてはまだ成長している胡蝶蘭もあるので、液肥(水で薄めた)肥料を市販肥料の表示された濃度の2倍以上に薄めて週に1回程度与えましょう。中旬以降については肥料を与えるのはやめます。
【植え替えについて】
気温が下がって根の成長が悪くなるため植え替えは行いません。来春まで植え替えは待ちましょう。
11月の胡蝶蘭の育て方
【11月の胡蝶蘭】
11月に入りだんだん寒くなり気温も日増しに下がってきます。胡蝶蘭の葉・根などの成長もほとんど止まってきた状態だと思われます。ただ朝晩の室温が15度以上に保たれていれば、少しずつ成長しています。
冬に向けて温度管理に特に気を使い、15度以上を保つようにしてください。
【置き場所について】
気温がだいぶ下がってくるため、胡蝶蘭の置き場所には注意してください。日中はできるだけ多く日光にあてるよう日当たりの良い場所に置きます。夜間は外の気温がかなり低くなるため、部屋の中で一番暖かそうな場所を選んで置くようにしてください。また暖房器具の風が胡蝶蘭にあたらないように注意が必要です。
【水の与え方】
11月からは水の与え方に注意が必要です。胡蝶蘭の成長が止まってくるため、あまり水分を吸収しなくなってきますが、暖房器具等を使い出すと部屋の空気が乾燥しやすくなり、植え込み材の表面も乾燥します。ただ鉢内には水分が残っていますので、表面が乾いてから1日~2日後位に水を与えるようにします。暖房器具により乾燥しがちなため、葉に霧吹きで水分を補給するとよいでしょう。
【肥料の与え方】
胡蝶蘭の成長が止まっているため、基本的には肥料は与えないようにします。ただし、朝晩の気温も15度以上に保たれていて温度管理ができている場合は週に1回程度薄めた液肥を与えても大丈夫です。
【植え替えについて】
根を痛めてしまい胡蝶蘭が弱ってしまうため植え替えは行いません。来春まで植え替えは待ちましょう。
12月の胡蝶蘭の育て方
【12月の胡蝶蘭】
寒さが増してくる12月です。葉も根も成長がとまり成長活動は停止した状態です。ただし、最低温度15度を確保できる場合は少しづつ成長します。充実した株は株元がふくらんで花芽が少しでていますが、最低室温15度を確保できない場合は成長が止まっているため春まで伸びない状態です。今月以降春までは最低室温・水やりが最大のポイントになります。
【置き場所について】
11月に引き続き昼と夜の置き場所には注意が必要です。日中は日差しが弱くなっているのでガラス越しに日光があたる場所に置きます。夜間は最低温度15度を目標に少しでも暖かい場所に移動し、段ボール箱と毛布などを被せるなど保温につとめてください。
【水の与え方】
11月同様水の与え方には注意が必要です。最低温度を15度以上に保てるかによって変わってきます。15度以上を保てる場合は植え込み材が完全に乾いたら鉢底から少量の水が出るくらいの量を与えてください。15度を保てない場合は株が成長停止状態なので水を与える間隔(日数)を長めにしてください。水を与える場合は、事前に汲み置きした水やぬるま湯など冷たくない水を与えてください。また、室内が暖房等により乾燥するため、葉に霧吹きで水分を補給してください。
【肥料の与え方】
胡蝶蘭の成長が止まっているため、基本的には肥料は与えないようにします。ただし、朝晩の気温も15度以上に保たれていて温度管理ができている場合は週に1回程度薄めた液肥を与えても大丈夫です。
【植え替えについて】
根を痛めてしまい胡蝶蘭が弱ってしまうため植え替えは行いません。来春まで植え替えは待ちましょう。
1月の胡蝶蘭の育て方
【1月の胡蝶蘭】
冷え込みが本格的になり、胡蝶蘭にとって最も厳しく苦手な寒い時期です。成長活動は停止した状態で休眠状態になっています。最低温度が15度以上の場合、花芽は上から2枚目の葉のつけ根のあたりに出てきます。最低温度により状態が異なり、15度を下回ると休眠状態になります。10度を下回ると下葉が黄色くなり落葉するものがあります。7度以下になると胡蝶蘭の株は衰弱し、3度以下で瀕死状態となり枯れてしまうものもあり非常に危険な状態です。夜間の最低温度がポイントです。
【置き場所について】
日中は室内の暖かい窓辺に置き、ガラス越しの日光にしっかり当ててください。夜間の窓辺は温度が下がるため室内の暖かい場所に移動します。最低気温が7度を下回ると株が急激に衰弱しはじめる為、少しでも暖かい場所に移動させ段ボールと毛布を被せるなどして保温します。また暖房器具の風が直接あたらないように注意してください。
【水の与え方】
鉢内が乾く速さは、暖房の状態や空気の流れにより大きく異なります。植え込み材が完全に乾いてから4~5日後に少量の水をあたえます。株の成長が停滞しているため水をあまりすいません。吸収しない水を与えすぎると鉢内に水分が多くたまり、水が多すぎて根ぐされの原因になります。水を与える場合は、事前に汲み置きした水やぬるま湯など冷たくない水を午前中に与えてください。また、室内が暖房等により乾燥するため、葉に霧吹きで水分を補給してください。
【肥料の与え方】
胡蝶蘭の成長が止まっているため、肥料は与えません。
【植え替えについて】
根を痛めてしまい胡蝶蘭が弱ってしまうため植え替えは行いません。来春まで植え替えは待ちましょう。
2月の胡蝶蘭の育て方
【2月の胡蝶蘭】
胡蝶蘭を育てる上で最大の山場といえる2月です。1月同様成長活動は停止しており休眠状態です。10度を下回る環境の場合は株の体力が著しく低下していき、下葉が黄色くなったりしわがよったりしてきます。茶色に変色した葉は切り取ってください。また最低気温が7度以下の場合は、日中ぬるま湯程度の水を与えても、夜間には冷え込んで鉢全体が冷たくなり、根が寒さによって傷みます。寒さのダメージが重なり衰弱して枯死してしまうので、最低気温が7度以下になってしまう場合は水やりをせずぬるま湯で湿らせたタオル等で葉の表裏をはさんで水分を与えてください。最低温度が15度位を保てる場合は3月、4月の開花に向けて花芽が伸びてきます。
【置き場所について】
日中は室内の窓辺でガラス越しの日光にしっかり当てます。冬は成長を停止していますが、日光不足になってしまうと葉が垂れ下がったり、葉肉も薄くなって成長活動をする準備ができなくなってしまいます。少しでも多く日光を当てられる場所に置くようにしてください。夜間の置き場所は1月同様少しでも暖かい場所に移動して段ボールと毛布を被せるなどして保温してください。
【水の与え方】
鉢内が乾く速さは、暖房の状態や空気の流れにより大きく異なります。植え込み材が完全に乾いてから4~5日後に少量の水をあたえます。株の成長が停滞しているため水をあまりすいません。吸収しない水を与えすぎると鉢内に水分が多くたまり、水が多すぎて根ぐされの原因になります。水を与える場合は、事前に汲み置きした水やぬるま湯など冷たくない水を午前中に与えてください。また最低温度が7度以下の場合は一切水を与えず、ぬるま湯で湿らせたタオル等で葉の表裏をはさんで水分を与えてください。
【肥料の与え方】
胡蝶蘭の成長が止まっているため、肥料は与えません。
【植え替えについて】
根を痛めてしまい胡蝶蘭が弱ってしまうため植え替えは行いません。来春まで植え替えは待ちましょう。
3月の胡蝶蘭の育て方
【3月の胡蝶蘭】
徐々に気温があがってくる3月です。気温の上昇とともにすこしずつ胡蝶蘭の株は元気を取り戻してきますが胡蝶蘭にとってはまだ寒い時期です。月末の気温上昇とともに葉の状態が良くなり花芽が伸び始めます。花芽が伸び始めることにより休止期は終わりますが、成長に十分な温度ではないため新しい葉や根はまだでてきません。最低温度15度を確保してきた株の中には、開花してくるものもあります。
【置き場所について】
室内の暖かいところで、日光がよく当たる場所におきます。日光に半日くらいあてるようにし、株の目覚めを促進します。夜間は少しでも暖かいところに置くようにしてください。
【水の与え方】
基本的には2月の水やりと同様、植え込み材の表面が乾いてから4日~5日後に汲み置きした水やぬるま湯を午前中に与えます。また葉への霧吹きでの水分の補給も行ってください。まだまだ根からの吸水は少ないため水の与えすぎには注意が必要です。
【肥料の与え方】
花芽が伸びだしても、根の活動があまり行われていないため肥料は与えません。
【植え替えについて】
基本的にはまだ植え替えは行いませんが、根腐れをおこして葉が1~2枚しかなくその葉も縮んだり、しわが多くでている株は植え替えます。その場合は少し小さめの鉢に植え替えて、しばらくは水を与えず少しでも暖かい場所に置くようにして根を成長させるようにしてください。